髭の脱毛を検討する際に最も重要なことは、「その手法に脱毛効果があるのかどうか」ということです。
具体的には「永久脱毛が可能かどうか」ということになります。せっかく貴重な時間とお金を使って髭を脱毛したのに、時間の経過とともに脱毛する前の状態に戻ってしまったらたまりません。
そこでどの手法なら髭の永久脱毛が可能なのか、まとめてみました。
目次
永久脱毛の定義とは?
「永久脱毛」という言葉を字面の通り解釈すると、永久に続く脱毛効果=永久に生えてこないということになると思いますが、どうやら違うようです。
一般的に、「永久脱毛」という場合には下記の2つの定義を元にしている場合がほとんどです。
・電気脱毛協会による「永久脱毛」の定義:脱毛施術1カ月後の時点で、毛の再生率が20%以下
・アメリカの厚生労働省にあたる政府機関FDAによる「永久脱毛」の定義:脱毛施術3回を行った6カ月後に67%(2/3)以上の毛が減っている
2つとも、施術を行ったらその後は永久につるつるの状態が持続する、というイメージとはちょっと違いますね。ある程度の髭の再生は許容する必要があるわけです。
脱毛手法の中で最も歴史が長いのはニードル脱毛ですが、レーザー脱毛、光脱毛はまだ歴史も浅く、施術を数回終えた後につるつるになったとしても数年後もその状態を維持しているかどうか、十分なサンプルがありません。また、元々のヒゲの濃さ等にも左右されるでしょう。
そのため、何を持って永久脱毛かというのは難しいところです。しかし、施術後3年程度施術完了後の状態を維持できて、その後ある程度再生したとしても少しだけ、ということであれば、多くの人が永久脱毛として受け入れられるのではないでしょうか?
ここでは「一生つるつる=永久脱毛」とするのではなく、「3年程度つるつるを維持、以降は最大3分の1の再生はOK」という認識でいってみたいと思います。
それでは各脱毛手法が永久脱毛可能なのかどうか、順番に見ていきます。
医療レーザー脱毛は永久脱毛可能
医療機関が導入しているレーザー脱毛器は、ほとんどの機種がアメリカの政府機関であるFDA認可のものです。それぞれのクリニックによって若干言い回しが違いますが、永久脱毛が可能と表現しています。
FDAの永久脱毛可能なレーザー機械の定義を見てみると、「レーザーを3回照射後、6か月経過した時点で67%以上の毛が減った状態に出来る機械」となっています。そこで、毛周期や熱ダメージが伝わりきらず、毛根の破壊が完全ではないヒゲを考慮に入れると、3回で67%減であればあと数回の照射で理論上は「100%減=永久脱毛」となりそうですね。
実際には、元々のヒゲが濃い人や鼻下などヒゲの密度が濃い部分は出力を上げにくいため、照射回数が増える等の個人差が出ると思います。しかし、いずれにしても永久脱毛は出来るといって良いでしょう。
毛根を完全に破壊できれば生えてこない
医療レーザー脱毛は、黒い色素に反応するレーザー光を照射することで毛根部分に熱を伝え、破壊するという原理でヒゲを脱毛します。毛根部分を完全に破壊できれば毛が生える機能が無くなりますので、生えてこなくなります。
しかし稀にではありますが、ごく少量の毛が再生してきてしまうことがあります。そのため、何年間は無制限などのコースを用意して、再生した場合には再度施術を受けられるようにしているクリニックもあるのです。
シミ、ほくろ、唇付近は再生しやすい?
医療レーザー脱毛は黒い色素に反応するという原理のため、ほくろや唇等の付近はよけて照射したり、出力を低めに設定したりして照射します。そのため、どうしてもレーザーの打ち漏れや、毛根にダメージは与えたものの完全に破壊するところまでいかないということも考えられます。
レーザーでは施術が難しい場所も含めて完全に髭を脱毛したいという方は、大きな部分は医療レーザー脱毛、シミやほくろ、唇付近のみニードル脱毛をするというように、場所によって得意な手法を併用するというのも1つの手段ですね。
光・フラッシュ脱毛は医療レーザー脱毛より出力が弱い
医療レーザー脱毛は医療機関のみで導入、施術が可能なのに対し、光・フラッシュ脱毛は医療機関以外の脱毛サロンやエステサロンでも施術を行うことができます。
光・フラッシュ脱毛の原理は基本的に医療レーザー脱毛と同じで、光を照射することによって髭に熱を伝え、毛根部分を破壊するというものですが、違いといえば出力です。
光・フラッシュ脱毛は医療レーザー脱毛と比較した場合に相対的に出力が弱いため、毛根を完全に破壊できない場合が考えられます。特にヒゲは非常に生命力が強い毛ですのでなおさらです。
この出力が比較的弱いという点が、痛みが少ないという光・フラッシュ脱毛のメリットにもつながっています。その反面、効果が一時的である場合が多く、施術回数も医療レーザー脱毛と比較して多く設定しているサロンが多いです。
医療機関以外は永久脱毛と表現できない
脱毛サロンやエステサロン等、光・フラッシュ脱毛器を導入しているところでは、その効果を「減毛」や「抑毛」と表現しています。これは、「永久脱毛」は治療行為に当たるため、医療機関でしか「永久脱毛」という表現を使用できないというところに理由があります。
光・フラッシュ脱毛では永久脱毛できない、ということではなく、法律上問題にならない表現を使って光・フラッシ脱毛の効果を説明すると「減毛」や「抑毛」となるわけですね。
前述のとおり医療レーザー脱毛と比較した場合、光・フラッシュ脱毛は出力が弱い分、施術回数が増える形にはなりますが、光脱毛だから永久脱毛できない、ということではないということです。
ニードル脱毛は確実性が高い
毛根を完全に破壊することが髭の脱毛の効果に直結しているわけですが、その点ではニードル脱毛は最も確実に髭の毛根を破壊することができる手法と言え、永久脱毛が可能です。
ニードル脱毛は毛穴から微細な針を差し込み、電気を流して髭の毛根にダメージを与えて髭が生えてこないようにするという手法ですが、髭を一本ずつ施術していくので医療レーザー脱毛や光・フラッシュ脱毛のように打ち漏れした箇所の髭が残ってしまう、ということもありません。
その反面、ニードル脱毛は施術に時間が掛かってしまうことと、痛みが非常に強いというデメリットがあります。ニードル脱毛だけで髭が濃い人が完全につるつるになるまで施術を行おうとすると、かなりの長い時間と痛みを覚悟しないといけません。
シミ、ほくろ、日焼け肌でもニードル脱毛なら施術可能
某老舗男性向けエステサロンは、医療機関以外の脱毛サロン、エステが光脱毛を多く採用する現在でもニードル脱毛にこだわっています。最も大きい理由は、既に説明した確実な効果です。しかし、ニードル脱毛は確実な効果以外にもメリットがあるのです。
それは次のようなメリットです。
・シミ、ほくろ、日焼けした肌でも永久脱毛が出来る
・産毛、白髪も脱毛出来る
医療レーザー脱毛、光・フラッシュ脱毛は光が色素に反応し、ダメージを与えて毛根の組織を破壊する仕組みのため、髭だけではなくシミ、ほくろ等にも反応してしまうという問題があります。
そのため、ほくろやしみ等がある場合はその部分を避けて施術を行うか、出力を弱くする必要があるため、十分な脱毛効果が得られない可能性が高くなります。
唇部分もほくろほどではないものの色素が濃いため、唇周辺も医療レーザー脱毛器では施術が難しい箇所となります。
また、マリンスポーツ等を愛好している等、日焼けが避けられない人の場合も医療レーザーや光脱毛は諦めなくてなりませんでした。
しかし、ニードル脱毛は色素と脱毛のプロセスは関係がありませんので、安心して施術を受けることが出来ます。
また、医療レーザー脱毛、光・フラッシュ脱毛は、産毛や白髪等の色素が薄い対象には照射した光が反応しないため脱毛効果が得られませんが、ニードル脱毛であればヒゲの色や細さ等に関係なく毛根を破壊し、永久脱毛することができます。
毛根を完全に破壊できればどの手法でも永久脱毛可能
結論としては、毛根を完全に破壊できればどの手法でも髭を永久脱毛できるということになります。
永久脱毛できますが、毛根部分に与えるダメージが大きければ完全に毛根を破壊しやすくなる一方で、与えたダメージが小さくて完全破壊に至らなかった場合には再生してくる髭もあります。
単純にヒゲの毛根部分にダメージを与える力で言えば「ニードル脱毛>医療レーザー脱毛>光・フラッシュ脱毛」の順になりますので、この順に確実性が高い、と思って良いでしょう。
筆者の経験からすると医療レーザー脱毛がおすすめ!
筆者はニードル脱毛、医療レーザー脱毛をそれぞれ経験しています。医療レーザー脱毛の最後の施術から2017年時点で12年程度経過していますが、本稿での永久脱毛の基準=3年程度つるつるを維持、以降は最大3分の1の再生はOK、という認識に照らせば永久脱毛できたといえます。
頬骨から下がすべてシャープペンシルの芯のような太い髭でびっしり覆われていた状態が、ニードル脱毛で頬部分はほぼ脱毛が完了、その後医療レーザー脱毛で鼻下、あご、あご下を施術しました。
医療レーザー脱毛の施術直後は顔全体に髭がまったくないつるつる状態でした。その後、3年程度経過したあたりからあご部分に少しずつ髭が生えてきて、現在はあご部分のみ施術前の4分の一位の密度で髭が生えている状態です。
前述のとおり、最も確実な脱毛効果が期待できるのはニードル脱毛ですが、痛みが強いのとお金がかかるのがなにしろネックです。筆者の場合は痛みでギブアップし、お金を払っていたにも関わらず通わなくなってしまいました。
そこで、これから髭の脱毛を検討している方には、医療レーザー脱毛をおすすめします。脱毛効果は確実性がありますし、痛みもありますが、我慢できる範囲です。
費用面でもリーズナブルな設定のクリニックが多数ありますので、職場やお住まい等の事情を考慮した上で通えるクリニックを探すこともできるはずです。
クリニックを選ぶ際にはまずカウンセリングを受けることになりますので、その際にどこまで脱毛したいのかという希望をきちんと説明し、どのくらいの時間と費用がかかるのか、痛みはあるのか、等の疑問点をしっかり確認しましょう。